渡邊万由美TopCoat代表/一般財団法人渡辺記念育成財団理事長(写真左)PROFILE:(わたなべ・まゆみ)1995年トップコート(現在のTopCoat)を設立。2011年から渡辺プロダクションの社長を兼任。2017年、一般財団法人渡辺記念育成財団設立。食と人を繋ぐ月刊誌「味の手帖」内の対談連載は25年をこえるHIDE GReeeeN メンバー/一般財団法人渡辺記念育成財団 EverWonder クリエイティブプロデューサーPROFILE:navi、92、SOHと福島県で結成したボーカルグループのメンバー。メンバー全員が歯科医師免許を持ち、医療との両立のため顔を伏せて活動中。「愛唄」「キセキ」「遥か」「オレンジ」など、デビュー以来数々のヒット曲を生み出す。「キセキ」は今も日本国内においてもっとも多くダウンロード販売されたシングルとしてギネス記録を持っている。2022年、GReeeeN史上最大規模の全国ツアー「GReeeeNと不思議な大脱走」全40公演を絶賛開催中 PHOTOS:SHUSUKE ODA / ILLUSTLATION:CHOCOMOOファッションやビューティ業界同様、芸能・エンタメ界もSNSでの誹謗中傷やプライバシーの侵害、新型コロナウイルスの影響による表現活動の制限に悩んでいる。このような状況下で芸能プロダクションTopCoatの渡邊万由美代表は、アーティストやクリエイターが精神的に傷かないよう、芸能・エンタメ界の第一線で彼らを守り続けている。 一方ボーカルグループGReeeeNのHIDEは、ミュージシャンとして時代の変化を捉えながら人々に共感される曲を生み出し続けている。生きづらい時代の中で、芸能・エンタメ界も抱える問題はどうしたら解決できるのか?2人に聞いた。 WWD:今のエンターテインメント業界をどう見る?TopCoat 代表取締役 渡邊万由美(以下、渡邊):1995年に芸能プロダクションを設立し、気がつけば4半世紀以上、私はエンターテインメント業界の中で生きてきました。6年前、ちょうど会社が設立20周年を迎えた頃から世の中の急速な変化を感じるようになると同時に、時代に取り残されないようにという強い思いが芽生えました。AIやブロックチェーンなどのテクノロジーがもたらす新たな可能性は、無視することができない。自分自身はアナログ人間ですが、AIによる自動検知やNFTのような仕組みを使えば、著作権などのアーティストの権利は厚く保護できるかもしれないし、最近注目のDAO(Decentralized Autonomous Organizationの頭文字を取ったもの。自律分散型組織を指す)のような仕組みによって、会社や国籍の垣根は取り払われ、共感して集まった人たちが新たなプロジェクトを立ち上げる世の中になると聞きますよね。 ※1 Non-Fungible Tokenの頭文字を取ったもので、日本語で非代替性トークンという。※2 Decentralized Autonomous Organizationの頭文字を取ったもので、日本語で自律分散型組織という。GReeeeN HIDE(以下、HIDE):今でこそ、AIやブロックチェーンという言葉はよく耳にしますが、6年も前から考えていたんですね。それが、2017年に始まったみらい塾(渡邊万由美が理事長を務める一般財団法人渡辺記念育成財団が運営する、未来のクリエイティブプロデューサーを育成するプログラム)の立ち上げに繋がったのですか? ※3 渡邊万由美が理事長を務める一般財団法人渡辺記念育成財団が運営する、未来のクリエイティブプロデューサーを育成するプログラム渡邊:そうなんです。わからないこと、知りたいことは「芸能のみらいを考える研究会」と称した財団の研究事業として、毎回ゲストを囲んで、財団関係者の皆さんと共に知見を深めています。これからはエンタメ界も新しいテクノロジーで面白くなるだろうと興味は湧くものの自分には敷居が高いので(笑)、デジタルネイティブな世代やそれらを使って世界を席巻していく若くてクリエイティブな感性と才能の持ち主を見つけ、一緒に何か新しいものを創れたら最高だな!と思っています。それが奨励・育成事業「みらい塾」のきっかけです。 HIDE:育てようというよりは、仲間を集めようという思いで始まったのが「みらい塾」なんですね。仲間を増やしながら新しい価値観に向き合う点に共感します。大人になると、どうしても多くの人は自分の地盤が固まって、なんとなくその中で日々を過ごしてしまいがち。時代の変化の潮目を感じ取って、新しい場所を創っていく&飛び出していくことは、今の世の中に足りていないかもしれません。続きはこちらでお読みいただけます。https://www.wwdjapan.com/articles/1393963